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【小説】塩野七生「ローマ人の物語」終わりの始まり:古代

ローマ人の物語 (11) 終わりの始まり

紹介

 ローマ人の物語、ここからが後半戦。
 マルクス・アウレリウスの話かと思いきや、賢帝アントニヌス・ピウスの弱点から始める構成がにくい。帝国のシステムは真面目に現状を維持するだけでは少しずつ綻び始め、マルクスの時代になってついに決壊した。
 最後の賢帝は苦悩しつつ懸命に傷口を抑えようとしているが、覆水は盆に帰らない、時代は回り続け、終わりが始まる。

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 不慣れな戦争に命を燃やし尽くして死んだ最後の賢帝マルクス・アウレリウス。いよいよ蛮族の侵攻がはじまるのか?と思わせておいて、本当の崩壊はコンモドゥスがバカだったから始まるという意外性。
 ただし、今までにも愚帝はいたけど不死鳥のように蘇ってきたローマだから、諦めるにはまだ早い。

紹介

 バカ息子が死に内乱の時代へ。状況は似ていたのに、ペルティナクスはネルウァにはなれず、セヴェルスはヴェスパシアヌスにはなれなかった。彼らの資質が劣っていたというよりは、いまま溜め込んできたツケを支払わされてる感がありながら帝国は衰えていく。
 元老院を骨抜きにしたアウグストゥスティベリウス、パルティアをいじめ抜いたトライアヌスマルクス・アウレリウス、近臣の跋扈を産んだクラウディウスハドリアヌス、時代が望んだ変化とはいえ賢帝達にも責任の一端はある。
 臆病さを律儀者の仮面で隠したヴェスパシアヌスと強権政治で隠したセヴェルスの比較も感じた。

書誌情報

著者:塩野七生
タイトル:ローマ人の物語 (11) 終わりの始まり
出版社:新潮社
出版年:2002.12
備考:初版では第11巻。新潮文庫化時に29,30,31巻に分巻。


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