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【人物紹介】伊達氏:独眼竜政宗を輩出した名家。江戸時代は仙台藩主として64万石を統治した。

伊達氏とは

 昭和62年度(1987年)のNHK大河ドラマ独眼竜政宗』。平均視聴率39.7%を記録した不世出の大傑作として、その人気はいまでも語り継がれています。
 俳優・渡辺謙伊達政宗役)の出世作であるだけではなく、お笑い芸人のいかりや長介鬼庭左月斎役)が本格的に俳優業へ進出するきっかけとなった作品でもあり、その他現在でも日本の俳優界を背負って立つ名優たちが数多く出演していました。
 主人公の伊達政宗は奥州(現・東北地方東部)の名家・伊達氏の跡取り息子ですが、幼いころに天然痘によって生死の境をさまよい、一命はとりとめますが片目を失明してしまいました。隻眼の容姿にコンプレックスを持った政宗が、誰よりも苛烈に周辺の豪族たちを討ち滅ぼして奥州の覇者となり、その先で豊臣秀吉(演・勝新太郎)という大きな壁にぶつかって天下取りの夢を失っていく生涯が描かれます。 
 今回は、その伊達氏についてご紹介します。

伊達氏略系図

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伊達氏略系図
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伊達政宗系図

伊達氏の経歴

 伊達氏は常陸国伊佐郡(現・茨城県筑西市)に住まった藤原山陰の子孫・常陸入道念西(伊達朝宗、あるいは伊達宗村)(生没年不詳)が、源頼朝奥州藤原氏征伐(1189年)に随行して戦功を上げたため、陸奥国伊達郡(現・福島県伊達市)を賜ったことが始まりとされます。
 南北朝時代の伊達行朝(1291 – 1348)は南朝に従いました。多賀城(現・宮城県多賀城市)から伊達領内の霊山(現・福島県伊達市)に陸奥国府を移し、鎮守府大将軍・北畠顕家足利尊氏征伐にも付き従うなど、南朝の重鎮として活躍しました。
 しかし、顕家が敗死、伊佐城に籠った伊達行朝も敗走して陸奥将軍府の勢力が振るわなくなると、行朝の子・伊達宗遠(1324 – 1385)は北朝に降伏しました。しかしそれ以後も室町幕府に完全に服属したわけではなく、宗遠は幕府の執事を務めたこともある出羽長井氏を攻めて米沢城(現・山形県米沢市)を奪い取ったり、奥州探題の大崎氏(斯波氏の一族)と戦って所領を奪い取ったりしています。
 さらに、9代当主・伊達政宗独眼竜政宗とは別人)(1353 - 1405)と政宗の孫の伊達持宗(1393 – 1469)は鎌倉公方と対立してたびたび戦争を起こし、勢力を拡大していきました。この過程で鎌倉公方とは対立する室町幕府との関係は逆に好転しています。
 14代当主・伊達稙宗(1488 – 1565)は婚姻外交を駆使して周辺諸大名のほとんどと縁戚関係を結び、「洞(うつろ)」と呼ばれる伊達氏を中心とした権力構造を確立しました。陸奥国には奥州探題大崎氏がいたため、元来守護は置かれていませんでしたが、稙宗は強大な権力を背景に前例のない陸奥守護に任じられています。
 しかし晩年、三男の伊達実元(1527-1587)を越後上杉氏の上杉定実の養子にし、伊達家中の精鋭をその随行につけようとしたところ、嫡男の伊達晴宗(1519-1578)の猛反対に遭い、娘婿の相馬顕胤に伊達領を割譲しようとした問題も相まって、奥羽全土を稙宗陣営と晴宗陣営に分けた大戦争に発展します。後世に「天文の乱」あるいは「洞の乱」と呼ばれた争乱は天文11年(1542年)から天文17年(1548年)の6年にわたって続き、最終的には稙宗が隠居することで終結を迎えますが、伊達家の勢力は大きく衰退してしまいました。
 この際、蘆名氏、相馬氏、最上氏、大崎氏、葛西氏らが伊達氏の勢力圏から独立し、のちに伊達氏を大いに苦しめることとなります。
 晴宗の跡を継いだ伊達輝宗(1544 – 1585)は生涯を費やして伊達氏の勢力回復に努めましたが、周辺諸大名が実力を付けてきたためにそこから抜きん出ることは難しく、更なる飛躍は輝宗の子の17代・伊達政宗(1567 – 1636)の登場を待つこととなります。

その他の伊達氏

 伊達氏の子孫として著名なサンドイッチマン伊達みきお氏は、9代・伊達政宗の弟の大條宗行の直系子孫です。
 明治時代の外交官・陸奥宗光(1844 - 1897)は、元の名前は伊達小次郎といい、常陸入道念西の子・伊達為家(生没年不詳)の子孫です。先祖が紀州徳川頼宣に仕え、以後紀州藩士として存続しました。
 留守氏、亘理氏、岩城氏、国分氏など多くの奥州の国衆が伊達氏から養子を迎え、江戸時代には伊達姓を名乗っています。また、陸奥石川氏、田村氏なども伊達氏からの養子を迎えて現在に至っています。

伊達氏の登場する作品

北方謙三「破軍の星」

破軍の星 (集英社文庫)

破軍の星 (集英社文庫)

ジャンル:歴史小説
主人公:北畠顕家
登場人物:伊達行朝(1291 – 1348)
時代背景:南北朝時代
 南北朝時代南朝後醍醐天皇に仕えた公家の北畠顕家を主人公にした小説。若くして陸奥(現・東北地方東部)の鎮守府大将軍となった顕家は、南朝のために戦い続ける。
 伊達行朝は南部師行と共に現地の有力武将として登場し、顕家の転戦に付き従う。

NHK大河ドラマ独眼竜政宗

ジャンル:歴史ドラマ
主人公:伊達政宗(1567 – 1636)
時代背景:安土桃山時代(戦国時代) - 江戸時代
 昭和62年度(1987年)のNHK大河ドラマ。平均視聴率39.7%を記録した大ヒット作であり、少年時代の政宗が発する「梵天丸もかくありたい」のセリフは流行語となった。

NHK大河ドラマ「樅ノ木は残った」

ジャンル:歴史ドラマ
主人公:原田甲斐(宗輔)
登場人物:伊達安芸(宗重)(1615 – 1671)
 伊達兵部(宗勝)(1621 - 1679)
 伊達綱宗(1640 - 1711)
時代背景:江戸時代
 昭和45年度(1970年)の大河ドラマ伊達騒動を題材にした作品。歌舞伎の『伽羅先代萩』などでながらく悪役として描かれてきた原田甲斐を再評価し、彼の目線から騒動の推移を追った。

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