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【麒麟がくる人物紹介】土岐氏:美濃源氏の嫡流。明智氏の本家筋に当たり、斎藤道三が仕えた。

土岐氏とは

 現在放送中のNHK大河ドラマ麒麟がくる』。
 主人公の明智光秀(演・長谷川博己)が生まれた美濃国(現・岐阜県南部)の守護職を代々世襲してきた摂津源氏の名門一族が土岐氏です。また、もともと明智氏自体も土岐氏とは分家と本家の関係にあたります。
 第2回の「道三の罠」では、斎藤道三(演・本木雅弘)の娘である帰蝶(演・川口春奈)の最初の夫として、土岐頼純(演・矢野聖人)が登場しました。
 しかし、頼純は隣国尾張(現・愛知県西部)の有力大名・織田信秀(演・高橋克典)と結んで道三の追い落としを画策していたため、逆に道三に毒殺されてしまう役回りでした。
 代わって美濃守護となって登場したのが頼純の叔父の土岐頼芸(演・尾美としのり)ですが、彼もまた道三の息子の斎藤高政(義龍)(演・伊藤英明)を実は自分の落胤だと言って困惑させ、更に有力国衆の稲葉良通(演・村田雄浩)を味方につけて道三に反抗するように促します。
 しかし、鷹を使って道三を暗殺しようとしたのが失敗し、愛玩していた鷹を皆殺しにされた上でほうほうの体で近江(現・滋賀県)に逃げ去るのでした。
 今回は、その美濃守護の土岐氏についてご紹介します。

土岐氏の経歴

 土岐氏酒呑童子の退治で有名な源頼光の子孫です。清和源氏の出身なので、室町幕府足利将軍家とも遠い親戚に当たります。
 土岐の名前は、先祖に当たる源頼国の領地が美濃国土岐郡(現・岐阜県土岐市)にあり、子孫が代々その地に土着したことに由来します。
 後醍醐天皇鎌倉幕府を倒そうと計画した「正中の変」では、土岐頼貞(1271 - 1339)やその子の土岐頼兼(生年不詳 - 1324)が計画に加担していましたが、一族の舟木頼春(生没年不詳)の妻が幕府に密告したため討伐隊が派遣されて失敗に終わり、頼兼は幕府の差し向けた兵に討たれてしまいます。しかし頼貞は生き延び、後醍醐天皇の二度目の倒幕計画の「元弘の乱」のときには再び協力しています。その後に足利尊氏後醍醐天皇が不仲になると尊氏に加担したため、美濃守護に任じられました。
 その後、頼貞の孫の土岐頼康(1318 - 1388)の代になると尾張と伊勢(現・三重県)の守護にも任じられ全盛期を迎えますが、頼康の養子の土岐康行(生年不詳 - 1404)が跡を継ぐと足利義満の分断政策によって勢力を削がれ、美濃一国のみの守護に落とされてしまいました。そして応仁の乱の頃には守護代斎藤利永とその弟の斎藤妙椿に実権を奪われており、その存在はお飾りに近いものとなっていました。
 やがて油売りの松波庄五郎と、その息子で斎藤氏の跡を継いだ斎藤利政(道三)が頭角を現すようになると、当主の土岐頼武(生没年不詳)は追放、その子の土岐頼純(1524 - 1547)は変死を遂げます。更にその後を継いだ頼武の弟の土岐頼芸(1502 - 1582)もまた斎藤道三の手によって追放され、大名としての土岐氏は滅亡しました。

その他の土岐氏

 明智光秀(生年不詳 - 1582)の生まれた明智家は土岐頼貞の孫・明智頼重(1342 - 1423)の子孫と言われています。明智の名前は、美濃国明知郷(現・岐阜県恵那市)に由来するとされます。
 豊臣秀吉の妻のねね(生年不詳 - 1624)や浅野長政(1547 - 1611)、忠臣蔵浅野内匠頭(1667 - 701)で有名な浅野家もまた、土岐家の子孫を名乗っています。土岐家の初代・光衡の次男の土岐光時(生没年不詳)が土岐郡浅野村、あるいは尾張国丹羽郡浅野村(現・愛知県一宮市)に居住し、その地名を名字にしたといわれています。

土岐氏の登場する作品

河部真道「バンデット」

ジャンル:歴史漫画
主人公:石
登場人物:土岐頼兼(生年不詳 - 1324)
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2巻第3話「大塔宮(3)」より
 土岐頼員(舟木頼春)(生没年不詳)
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2巻第6話「大塔宮(6)」より
時代背景:鎌倉時代
 2巻で後醍醐天皇とともに倒幕を謀る武士団として土岐頼兼が登場する。太い眉と色黒の肌を持ち、後醍醐天皇に直接声を掛けられて感動の涙を流す勤王家。その密談の場で捕らえられた主人公の石を、得意の強弓の的として痛めつけたため恨みを買うことになる。
 最期は『太平記』と同様に土岐頼員(舟木頼春)の妻の密告によって蹶起の計画が露見し、討伐隊に紛れた石の放った矢を顔面に受けて絶命する。

安部龍太郎「バサラ将軍」所収「狼藉なり」

バサラ将軍 (文春文庫)

バサラ将軍 (文春文庫)

ジャンル:歴史小説
主人公:高師直
登場人物:土岐頼遠(生年不詳 - 1342)
時代背景:室町時代南北朝時代
 短編集の中の一作品、『狼藉なり』に土岐頼遠が登場する。頼遠は度を越したバサラ者で、笠懸の帰りに行きあった北朝光厳上皇の御車に向かって弓を引いた天下の大罪人であった。秩序を乱す叛乱因子として頼遠をなんとしても殺したがる足利直義と、天をも恐れぬ痛快なバサラ者をなんとかして救ってやりたい高師直が頼遠の命を巡って暗闘を繰り広げる。

NHK大河ドラマ麒麟がくる

ジャンル:歴史ドラマ
主人公:明智光秀
登場人物:土岐頼純(1524 - 1547)
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第2回「道三の罠」より(演・矢野聖人)
 土岐頼芸(1502 - 1582)
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第13回「帰蝶のはかりごと」より(演・尾美としのり
時代背景:室町時代 - 安土桃山時代(戦国時代)
 令和2年度(2020年)の大河ドラマ明智光秀の若き日の物語。
 第2回から第13回に至るまで、守護代の斎藤利政(道三)の増長を疎む美濃守護として土岐頼純と頼芸が登場する。利政の嫡男の高政(義龍)の母・深芳野(演・南果歩)は元々頼芸の側室であり、頼芸はそれを利用して自分が本当の父であり、それを軽んじる偽りの父の利政を討てと高政を唆す。

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