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【小説】三谷幸喜「清須会議」:安土桃山時代

清須会議

清須会議

 藤吉郎、あなたは何がしたいの?
 織田家を乗っ取って、それからどうするつもりなの?
 そういえば、あなたはいつだったか、酔っぱらって言ったわ。私の腕の中で、「天下を取ってみせる」って。
 あなたのことだから、それもきっと本気なんでしょう。そしてあなたのことだから、きっと天下を取るんだわ。
 でもその後は?教えて藤吉郎。天下を取ったその先には、一体何があるの?

データ

ジャンル:歴史小説
主人公:柴田勝家羽柴秀吉
主な歴史人物:丹羽長秀池田恒興織田信雄織田信孝織田信包黒田官兵衛
時代背景:安土桃山時代(戦国時代)
 天正10年6月27日(1582年7月16日)

紹介

 三谷幸喜監督映画『清須会議』の原作。
 織田信長が本能寺(現・京都府京都市)で家臣の明智光秀に討たれ、織田家当主の信忠もまた二条城(現・京都府京都市)で自害した結果、織田家の後継者の座が空白となってしまった。その後釜について語るために集まったのが、信長の忠臣にして織田家の第一の宿老・柴田勝家明智光秀を討って俄然発言力が高まる羽柴秀吉、勝家の盟友だが秀吉と共に明智を討ったという微妙な立場の丹羽長秀、そして最後の宿老である滝川一益……が来られないから数合わせで呼ばれた池田恒興の四人。四者四様の思惑が尾張国清須城(現・愛知県清須市)でぶつかり合う。
 宿老たちの思惑がぶつかり合う一方で互いに嫌い合う兄弟の信雄と信孝、夫と息子の敵として羽柴秀吉を忌み嫌うお市の方、信長亡き後の最長老である弟の織田三十郎信包、信忠の妻と息子の三法師、家督の当事者である織田家の一族もまたそれぞれの思惑を持ち、会議の行く末を注視していた。

 題材となって清州会議についてはこれまでも数多くの作品で描かれている通り、羽柴秀吉の持ち出した奇策に唸る柴田勝家というおなじみの内容であり、本作も忠実にそれをなぞっている。ただし、それを喜劇作家としておなじみの三谷幸喜が、密室劇のスタイルで面白おかしく描いたことに本作品の価値がある。
 ひたすら己の意志を貫こうとする羽柴秀吉柴田勝家、賢ぶって斜に構える丹羽長秀池田恒興。周囲でピーチクパーチク言い合う外野の皆さん。戦国時代の彼らもまた、現代日本に生きる私たちと同じように一喜一憂しながら、日々答えのない選択肢を選び続けていたのだろうなということを、三谷節でシニカルに表現している。
 どいつもこいつも悲しく愚か。

時代設定

清州会議は天正10年6月27日(1582年7月16日)。

書誌情報

著者:三谷幸喜
タイトル:清須会議
出版社:幻冬舎
出版年:2012.6
備考:

関連作品

三谷幸喜監督の映画化作品。柴田勝家役は役所広司羽柴秀吉役は大泉洋。(2013年)

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