あの作品が何時代の話かわかるブログ

歴史系の創作物を集めて、年代順に紹介するブログ。歴史系の小説、漫画、ゲーム、映画などなどなんでも

室町時代

【小説】仁木英之「レギオニス 興隆編」:戦国時代

レギオニス 興隆編 (中公文庫)作者:仁木英之発売日: 2018/11/26メディア: Kindle版 「母上の言葉がなければその思いに至らなかったのは愚かである。此度のこと、責は林新五郎、柴田権六両名にあると厳しく𠮟りおく。追って沙汰があるまでは表立ったことをせ…

【小説】司馬遼太郎「夏草の賦 上」:戦国時代

夏草の賦(上) (文春文庫)作者:司馬遼太郎発売日: 2015/02/06メディア: Kindle版 元親は、最初は千翁丸をやろうとおもったがそれをやめたということを、正直にいった。 「まあ」 当然、菜々は気分をわるくした。 「千翁丸と私のいのちの重さをはかって、私…

【小説】伊東潤「野望の憑依者」:南北朝時代

野望の憑依者(よりまし) (徳間文庫)作者:伊東潤発売日: 2017/07/07メディア: Kindle版 「それがしは民のため、この世を少しでもよきものにすべく起っただけにございます」 そう言い残すと、軽く一礼し、正成は去っていった。 ──何という男だ。 もしそれが…

【小説】平岩弓枝「獅子の座」:室町時代

獅子の座―足利義満伝 (文春文庫)作者:平岩 弓枝発売日: 2003/10/11メディア: 文庫 自分にとっての女は、玉子一人なのだと義満は気がついていた。 玉子の持つ清冽さに自分は心惹かれている。 幼い日から、自分に注がれていた玉子の情愛には、いつも捨て身で、…

【小説】堺屋太一「秀吉―夢を超えた男 2」:安土桃山時代

秀吉―夢を超えた男〈2〉 (文春文庫)作者:堺屋 太一メディア: 文庫 「これは……、お二人のお考えが違うぞ」 秀吉はそれに気づいて居並ぶ人々の顔を見たが、どの顔にも特段の変化はない。ただ正面高座の足利義昭だけが、緊張した顔を曲げて、救いを求めるような…

【小説】堺屋太一「秀吉―夢を超えた男 1」:戦国時代

秀吉―夢を超えた男〈1〉 (文春文庫)作者:堺屋 太一メディア: 文庫 「あ、熱い」 藤吉郎は、本当にそう叫んだ。織田信長の強く鋭い視線を受けた時、全身が強張るような衝撃を受け、眉間が火を当てられたように熱くなったのだ。 「神じゃ、信長様は神様じゃ」 …

【小説】岡田秀文「応仁秘譚抄」:室町時代

応仁秘譚抄 (光文社文庫)作者:岡田 秀文発売日: 2015/02/27メディア: Kindle版 (ああ、そういえば) かつて一度、勝元の誠意をうたがったことがあった。富子の男子が生まれたときだ。あの直観は正しかったと今は思わざるをえない。 (結局、予は) 頼むべか…

【小説】安部龍太郎「バサラ将軍」:南北朝時代

バサラ将軍 (文春文庫)作者:安部 龍太郎発売日: 1998/05/08メディア: 文庫 「つまるところ余は、人であることに耐えられぬのかもしれぬな」 ある日義満は西芳寺に世阿弥を呼んで茶を振る舞った。 かつて小姓として寵愛した五歳下のこの青年だけが、心を打ち…

【小説】岩井三四二「銀閣建立」:室町時代

銀閣建立 (講談社文庫)作者:岩井三四二発売日: 2014/02/07メディア: Kindle版 墓場の死者たちを地獄の亡者に見立て、一段高いところにある西指庵を浄土とし、そこに遺骨を埋めることで、自分だけが浄土に行こうとしているのだ。 上様ははじめからそのつもり…

【小説】真保裕一「天魔ゆく空」:戦国時代

天魔ゆく空作者:真保 裕一発売日: 2011/04/15メディア: 単行本 「それがしにはもう、御屋形様の心根がわかりませぬ……。愉快とは思えぬ顔で、ただ愉快、愉快と口先で仰せられる。何ゆえこの時節に、遊戯されるばかりなのか。引き回される内衆も皆戸惑うばかり…

【小説】伊東潤「疾き雲のごとく」:戦国時代

疾き雲のごとく (講談社文庫)作者:伊東潤発売日: 2012/12/21メディア: Kindle版 「わが名は──」 僧は一呼吸置くと思いついたように言った。 「早雲と」 「でまかせだな」 「はい」 僧が何ら悪びれず答えたので、茶々丸も苦笑した。 「いずれにしても、よき名…

【小説】伊東潤「叛鬼」:戦国時代

叛鬼 (講談社文庫)作者:伊東潤発売日: 2014/09/12メディア: Kindle版 ――好かぬ小僧だ。 父景信の傍らに拝跪した景春は、反骨心に満ちた眼差しを、その少年に向けた。 その時、景春と少年の視線がぶつかった。 一瞬、たじろいだ後、少年は敵意をあらわにして…

【小説】吉川英治「上杉謙信」:戦国時代

上杉謙信 (角川文庫)作者:吉川 英治発売日: 2015/01/24メディア: Kindle版 謙信はすでに、迷いなく、ここへ邁進して来つつあるのに信玄は、事態の直前に、味方の布陣を更えなければならないという必要に――つまり後手に立たされてしまったのである。 若輩謙信…

【小説】井上靖「風林火山」:戦国時代

風林火山作者:井上 靖発売日: 2011/06/01メディア: Kindle版 勘助は、自分を召し抱えてくれた若い武将が好きだった。晴信は彼がこの世で好感を持った唯一の人物であった。勘助は地上の人物の誰もが嫌いだったが、晴信だけは好きだった。晴信のためには生命も…

【小説】木下昌輝「宇喜多の捨て嫁」:戦国時代

宇喜多の捨て嫁 (文春文庫)作者:木下昌輝発売日: 2017/04/28メディア: Kindle版 直家の口端に笑みが浮かぶ。それが嘲笑なのか微笑なのかを判じようと宗景が上体を乗り出した時には、普段の鉄面皮に戻っていた。 「拙者は幼き頃から小姓として侍る身。殿のこ…